わたしの研究〜記憶色って?〜
今後ちょいちょい研究の話が出てくると思うので
今ちょっと自分の研究内容を説明したいと思います。
少し専門的な話になるのですがなるべく噛み砕いて説明しますので
興味を持っていただけたら嬉しいです。
私の所属は
「某大学大学院融合科学研究科情報科学専攻画像マテリアルコース画像表現領域」
と長い名前の変わったところで、私の研究室では画像の色再現を良くするために記憶色について研究を行っています。そして私は特に肌についての研究を行っています。
まず少しこの研究が始まった背景を・・・
現代の技術で「見たままの色再現」を実現させることは容易にできるのですが、カメラ等のデジタル技術が向上するにつれてユーザーが色再現に求める欲求が高まり、
「見たままの色再現」よりも「より綺麗な色再現」が求められることが増えてきました。
LINEカメラやプリクラなどを見ればわかりますよね。「ふんわりホワイト」とか「キリッと」とか
そのままの肌色ではなく、綺麗な肌色に自動補正してくれるすばらしい詐欺機能。女の子たちには大人気です。
じゃあ、どんな色に補正したらいいの?
どんな色再現が「綺麗な」色再現(好ましい色再現)なの?
そこで記憶色についての研究が始まりました。
記憶色が何かというと、私たちが日常よく目にするものに対して「頭の中にイメージとして持っている色」のことです。
例えば「桜の色をイメージしてください」
下の写真の左のようにピンクを思い浮かべたのではないでしょうか。(記憶色)
でも実際は右のようにほぼ白色。(忠実色)
credit: http://img-cdn.jg.jugem.jp/e5c/1895601/20130727_717623.png
このように、通常記憶色はその物の色の特徴が強調され、実際の色よりも鮮やかと言われています。
この記憶色が好ましい色再現と深く関係があります。
先行研究では
ざっくり言うと「葉」などの自然の色のついては「忠実な色」に基づいた色再現、「肌」については「記憶色」に基づいた色再現が好まれると言うことがわかりました。
また、記憶色は「年齢」「性別」「国籍」「流行**」など様々なものから影響を受けています。そこで「様々なコミュニティー」で記憶色について調査を行うことが大切になってきます。
**ちなみにガングロが流行っていた世代では暗めの肌が好まれます。
私たちの研究室では印刷された紙媒体を用いて特別にライティングされた実験ブースで今まで調査を行ってきました。(被験者に見える色が同じ色にするためです。オレンジの電気を使うのと、青色の電気を使うのとでは見える色が違うでしょ?)
そのため、被験者を実験ブースに集めなければならず、限られたコミュニティーのデータしか得ることができませんでした。(主にアジア圏のみ)
そこで、私の先輩KWDさんがコミュニティーを広げ、実験をより簡単なものにするために、普及してきている「スマートフォン」を用いて記憶色の調査を行えないか?
と思いついたのです。そして去年度学部4年の時、一緒に研究をさせて頂きました。
続きます・・・。